個人サロンのお金事情:経営戦略・戦術で消費ではなく投資へ

個人サロンヘッドマッサージのイラスト(女性ヘッドセラピスト)

こんにちは、ヘッドライフ代表でヘッドマッサージ専門家の江口です。

 

約20年前、リラクゼーションサロン業界では、全体の約7割以上がセラピスト一人で運営する個人サロンで構成されていると言われていました。

 

現在では、その割合はさらに増えている可能性もあります。

特に、自宅や賃貸マンションの一室を活用した「小さなサロン」は、開業・経営のハードルが比較的低く、初期コストを抑えられることから、経済的にも心理的にも始めやすいスタイルとして支持されています。

 

たとえば大阪市内の中心部、駅から徒歩5分圏内でマンションサロンを開業する場合でも、工夫次第で初期費用は約50万円以下に抑えることも可能です。

 

ただし、実際にはこれに加えて運転資金や広告費なども必要となるため、全体で100万円ほどの準備があると安心です。

一方、自宅サロンのように家賃が不要なケースでは、10万円程度からのスタートも現実的です。

 

集客における2つのアプローチ

 

サロン経営においては、集客方法がとても重要です。

いくらヘッドマッサージが上手での技術に自信があり、サロン勤務時代にお客様から人気のヘッドセラピストだとしても、独立・開業後は“集客”という新たな課題に向き合う必要があります。

 

技術力は大きな強みですが、それを必要とする方々に知っていただくための工夫もまた、サロン経営では重要な要素となります。

  

サロン集客における2つのアプローチ

(1)費用をかけて集客する方法

(2)費用をかけずに集客する方法

 

費用(お金)をかけて集客する代表例は、ホットペッパービューティーなどのクーポンサイトに掲載することです。

一方費用(お金)かけずに集客する方法の代表例は、インスタグラムなどのSNSです。

 

サロン経営者のサロン開業資金・運転資金などの懐事情(お金事情)にもよりますが、(1)(2)それぞれに複数の手法があり、これらは“引き出しの多さ”とも言い換えられます。

 

チラシ配布、クチコミ促進、SEO対策などがその一例です。

 

この“引き出し”には「正しい情報」が必要不可欠です。

信頼できる情報を持ち、それをどのように活用するかが集客成果を左右します。

 

ビジネス的に表現するならば、こうした個々の手法は「戦術」であり、それをどう組み立てて運用するかが「戦略」となります。

さらに、これらを実際に使いこなすための知識や仕組みが「ノウハウ」です。

 

「お金の使い方」で未来が変わる

 

今回のテーマは「お金」です。

サロン経営では、限られた資金の中で何にお金を使うかが、今後の運営に大きく影響を与えます。

 

たとえば、「ホームページの月額費用」についてのご相談を以前のメルマガで紹介したところ、多くの方から反響をいただきました。

 

お金の使い方に正解はありませんが、「必要なところに、必要なタイミングで投資する」という視点を持つことが、長く愛されるサロンづくりには欠かせません。

 

経営者として、消費ではなく「未来への投資」という考え方をぜひ取り入れてみてください。

 

卒業生からのメール“消費”ではなく“未来への投資”

 

2019年10月24日15:16:43JST

ニックネーム:ひなた

サロン開業暦:3年

お住まいの地域:大阪府

 

こんにちは。いつも貴重な情報をありがとうございます。

サロンを開業して3年が経ちました。

 

現在は、ありがたいことにご紹介や口コミを中心に運営を続けています。

ホームページについては以前から気になっていたのですが、パソコンがあまり得意ではないため、これまで手をつけられずにいました。

 

地元のフリーペーパーに掲載した記事をきっかけに、その媒体が提供するホームページサービス(月額15,000円・税別)を利用し始め、気づけば2年以上が経過しています。

 

ただ、正直なところ、そのホームページ経由での新規集客はほとんどないのが現状です。

そこで最近、自分自身でホームページを作ってみようと考えるようになりました。

 

ただ、なかなか時間が取れず、行動に移せずにいます。

とはいえ、今年の11月中にはなんとか形にしたいと考えています。

先生がご使用されているサイトをぜひ参考にさせていただきながら、少しずつでも取り組んでいけたらと思っています。

 

ひなた様、心のこもったメッセージをありがとうございました。

ホームページをご利用されて2年以上とのこと、月額16,200円(税込)で換算すると、約38万円のご負担となっていたのですね。

 

その間、集客につながる成果が少なかったとのことで、きっとさまざまな思いを抱えながら続けてこられたことと思います。

個人で運営されているサロンでは、限られた予算の中で「何に・いつ・どれだけ投資するか」が、今後の方向性を大きく左右します。

 

とくに、ホームページや広告、技術習得などの費用については、“消費”ではなく“未来への投資”と捉える視点がとても大切です。

「なるべくお金を使いたくない」というお気持ちも、個人サロンではよくある自然な感覚です。

 

しかし、必要な部分に適切に投じることで、結果的に成果へとつながるケースも少なくありません。

年末が近づいてくると、自然と「来年はどうしようか」と考える機会も増えてきますね。

 

少しでも前向きな気持ちになれる方は、すでに小さな一歩を踏み出している証拠かもしれません。

今のうちに「自分のために使える予算」を見直し、小さくても効果的な投資を検討することで、来年の可能性が大きく広がるはずです。

 

無理のない範囲で、自分のサロンと向き合う時間を大切にしていきましょう。

 

まとめ|個人サロン経営における「お金の使い方」は未来への投資

 

個人サロンの開業や運営には、思っている以上に「お金の使い方」が重要です。

初期費用を抑えてスタートできる反面、集客や広告、運転資金といった実務的な出費が徐々に現れてきます。

 

本記事では、費用をかける集客と、かけない集客の両方を組み合わせた戦略、そしてその実行に必要な「戦術」「ノウハウ」という視点について解説しました。

 

また、読者の方から寄せられたリアルな声からも分かるように、限られた資金をどう使うかは、個人サロン経営者にとって切実なテーマです。

大切なのは、「お金をかける・かけない」ではなく、かけるべきところに適切に投資する判断力を養うこと。

 

とくに、ホームページやSNSなどのデジタル集客は、長期的なサロン成長の鍵を握る重要な要素となります。

「お金を使わない」ことが目的になってしまうと、結果的に機会損失につながることもあるため、“消費”ではなく“未来への投資”という意識を持つことが、これからのサロン経営では欠かせません。

 

これからサロンを開業される方も、すでに運営中の方も、自分自身のビジョンと向き合いながら、無理のない範囲で賢く「お金と時間」を使っていくことが、安定した経営への第一歩になるはずです。

 

 

この記事はヘッドライフ代表の江口が作成しました。

作成日:2025/11/08

更新日:2025/05/13

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この記事の監修者

江口征次  

 

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ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家

Head Life(ヘッドライフ)代表

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長

株式会社ヘッドクリック代表取締役  

頭ほぐし専門店atama代表

ヘッドスパ専門店atama代表

 

【商品】

・日本初、ヘッドマッサージ施術用枕の販売

・日本初、業務用ヘッドマッサージオイルの販売

 

【登録商標】

・頭ほぐし専門店atama 登録5576269

・頭ほぐし整体院 登録5977517

・骨相セラピー 登録5790990

 

ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家として、2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気ヘッドマッサージ資格講座を主催している。

私自身も技術職人のような人間で、サロン経営には精通しておらす、独立開業時は集客に苦労しました。

さらに当時は、「ヘッドマッサージ専門店」「頭ほぐし専門店」が世間に認知されておらず、WEBで検索されることもなければヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)の60分コースを受ける発想が世間になかったからです。