【質問にお答えします!】施術中に動くお客様・その2

ヘッドセラピスト|ストレッチングインストラクター|福岡講座代表 森脇ゆう
ヘッドセラピスト|ストレッチングインストラクター|福岡講座代表 森脇ゆう

 

いつもヘッドライフ通信をお読みいただき誠にありがとうございます。福岡担当の森脇です。

 

今回も、卒業生からいただいた質問を共有したいと思います。

 

前回は『施術中に脚腰を動かすお客様』についての傾向や対処法について書きましたが、今回フォーカスするのは、「頭(首)」です。

 質問・お客様から「施術中にお客様が・・・」

 

Q:ヘッドマッサージをしていると、お客様の頭が右に傾いていきます。お客様は自覚がないようですが、何かしてあげられることはありますか? (熊本県/女性セラピスト)

 

施術中に頭が左右どちらかに傾いていく方は一定数いらっしゃいますね。

 

講座では、このような場合『傾いた状態のまま、できる範囲で施術を続ける』というようにお伝えしています。  

 

これは、完全な脱力状態を保持することや、眠りによるグリンパティックシステムの作用を引き出すためです。

 

とはいえ、質問してくれた生徒さんのように“何とかしてあげたい”と思うのがセラピストの性ですね。

 

以下、個人的な知見と経験に基づき、考えられることや、できることをお答えしていきます。参考程度にお読みください。

 

 

 肩首周辺の筋肉に注目

 

まず、この『傾く』という動作は、正確にいうと『旋回動作』といいます。

 

「頭が傾く」と言うものの、実際に旋回動作を起こしているのは「頭」ではなく「首」です。

 

首の筋肉に注目する時、首そのものに筋肉が付着しているというよりも、

 

頭と肩を繋ぐ筋肉や、頭と体幹を繋いでいる筋肉によって首が構成されているという認識を持つことが大切です。

 

したがって、施術中、首に旋回動作が起きるお客様は、肩首周辺に何かしらの不調を抱えている可能性があると言えます。

 

 筋肉は疲労すると・・・?

 

さて、疲労した筋肉は「収縮」しているでしょうか、それとも「弛緩」しているでしょうか?

 

答えは「収縮」ですね。ギュッと縮こまって硬くなっているイメージを持つといいでしょう。

 

筋肉には“関節を動かす”といった重要な役割があるわけですが、私達が無意識に行っている“姿勢保持”の役割もあります。

 

例えば、

 

・デスクワークなどで頭を起こし続けること

・座った状態をキープすること

・歩行時に背筋を伸ばすこと

・真っ直ぐに脚を踏み出すこと

 

などが、それにあたります。

 

ヘッドマッサージで完全脱力状態になった時に、旋回動作が見られるということは、旋回動作に関わる筋肉が疲労して(収縮して)引っ張られているということが考えられます。

 

ここで、筋肉の作用を勉強している方であれば、「なるほど!だったら右に傾く場合は右が収縮しているから、右の肩首を緩めてあげればいいのか!(=゜ω゜)ノ」

 

と閃く方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、ここで1つ落とし穴があります。

 

それは、旋回動作には動く方向の反対側の筋肉も関係するということです。

 

その筋肉とは『胸鎖乳突筋』です。

 

 筋肉は必ず連動している

 

首の旋回動作に関わる重要な筋肉は、「胸鎖乳突筋」と「板状筋(頭板状筋・頸板状筋)」です。

 

右側への旋回動作は、右の板状筋と、左の胸鎖乳突筋の作用(収縮)によって起こります。

 

※因みに、板状筋が左右同時に作用すると、上を向く動作になり、胸鎖乳突筋が同時に作用すると、下を向く動作になります。

 

この時に注意したいのは「どっちが疲労しているのか?」と考えるのではなく、左右で連動して動いているということを忘れてはいけないということです。

 

ただ、お客様の自覚によっては工夫する必要がありそうですね。

 

 

例えば

 

①施術中に右側に傾く

・右側の肩首に疲労を感じる→板状筋を入念に施術する

 

②施術中に右側に傾く

・左側の肩首に疲労を感じる→胸鎖乳突筋を入念に施術する

 

 

「入念に」とは書きましたが、もちろんやりすぎには禁物です。

揉み返しにならないように注意しましょう。

 

お客様の動作やクセを聞き、さらに各筋肉の起始部や停止部に注目してみると、様々な疲労のプロセスが見えてきます。

 

 最後に

 

ヘッドマッサージのみでこれらのこと全て改善するのは、正直無理がある…

 

というよりかは、もっと状態に適したメニューづくりをしていく方が有意義です。

 

最後はやっぱり『相乗効果メニューをつくろうよ』という話になってしまうのですが(笑)

 

その大切さは、もう皆さんにもご理解いただいていると思います。

 

最後に、私が以前に担当したお客様で、施術の冒頭から爆睡~首右側旋回~完全に右向きになるという方がいらっしゃいました。

 

右側の肩こりに自覚があり、右側の施術に重きを置いたボディケアを30分ほど行ってヘッドをするようにすると、

 

徐々に回旋傾向が弱まって、私自身の施術もラクになりました(傾いた状態でのヘッドはやりにくいですよね(^-^;)

 

是非、今回の内容を接客に役立てて下さい(^^)

 

筋肉の作用が学べます。

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ブログ作成日

2023年8月14

 

 ブログ作成者

福岡講座代表

 

福岡講座代表

森脇 ゆう

 

 

一般社団法人

日本ヘッドセラピスト認定協会スクール

インストラクター

 

 

NPO法人日本ストレッチング協会

認定ストレッチングインストラクター

 

 

日本成人病予防協会認定 

生活リズムアドバイザー

健康リズムカウンセラー

 

 

福岡市内で暮らしている2児のパパです。建築業界から、自身の腰痛をきっかけに施術業界に転向しました。

 

以後、自身の経験から“お客様の生活に寄り添う施術”をモットーに活動しています。 セミナー講師としては、“生徒さんの学ぶ気持ちに寄り添う指導”をモットーとしています。

 

 

 

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